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食中毒に備える保険はある?飲食店経営者が加入するメリットを解説

飲食店を経営していると、食中毒のリスクは避けられません。
どんなに気をつけても、食中毒が発生する恐れがあります。

一度食中毒が発生すれば、規模によっては多額の損害が発生するケースも珍しくありません。
そのため、食中毒に備える保険があればいいと考えている方もいるでしょう。

今回は、飲食店向けの食中毒に備える保険の種類や、加入するメリットを紹介します。

食中毒に備える保険はある?飲食店経営者が加入するメリットを解説

飲食店における食中毒のリスク

飲食店を経営している限り、食中毒のリスクは避けられません。
掃除や手洗いを入念に行っても発生する可能性をゼロにするのは不可能です。

ここでは、飲食店で食中毒が発生した場合に考えられる損害を紹介します。

被害者への損害賠償

食中毒が発生すると、被害者へ損害賠償金を支払う必要が出てきます。
食中毒の怖いところは、原因によっては被害者が膨大になる可能性があるところです。
小さな店舗でも、被害者が数百人規模で発生する恐れもあります。

被害者が少なくても、入院が必要なほど重症になったり最悪の結果になったりすると、損害賠償は莫大になる恐れがあるでしょう。
損害賠償の額によっては、店舗の営業が不可能になったりオーナーが借金を背負う必要が出てきたりします。

店舗の営業停止

食中毒が発生すると、保健所の調査結果次第で店舗の営業停止処分が下される場合があります。
店舗の営業停止処分とは、その名のとおり店舗の営業を停止される処分であり、期間は長ければ1ヵ月にもおよびます。
その間、売上は入ってきませんが人件費や家賃などは発生するので経済的な負担が重くなるでしょう。

店舗の営業停止処分に加えて被害者への損害賠償も加わった場合、経済的な負担はより重いものになります。
特に、銀行から融資を受けて返済しながら店舗を営業している場合、返済が滞る恐れもあるでしょう。

信頼の喪失

現在の日本は、とても衛生状態がよい国です。
だからこそ、食中毒の発生が大きなニュースになるケースも珍しくありません。
被害者が多い場合は全国規模のニュースになる恐れもあります。

悪い意味で話題になってしまうと、店舗の評判は失墜します。
長年にわたって多くの方に愛されてきた名店であっても、一度評判や信頼が喪失したら建て直すまでに時間がかかるでしょう。

お店の売上も落ち、営業が続けられない可能性もあります。
またチェーン店の場合は、一店舗で食中毒が発生するとチェーン店全体の売上が落ちる可能性もあります。

食中毒に備える保険|補償内容の例

食中毒を起こさないように努力するのは重要ですが、それと併せていざというときの備えがあれば安心です。
ここでは、食中毒に備える保険に加入した場合、どのような補償が受けられるかを紹介します。
食中毒の補償がついている保険の加入を検討している方は参考にしてください。

損害賠償の補償

食中毒に備えた保険に加入すると、損害賠償が生じたときに補償が受けられます。
損害賠償は、食中毒の規模や種類、被害が出た人数によって大きく変わります。
大規模な食中毒が出た場合、損害賠償の額も大きくなるので補償があれば安心です。

また、商品によっては食品に異物が混入しており、購入者にけがをさせてしまった場合などの補償にも使えます。
商品によって補償の範囲や内容が異なるので、よく検討したうえで選びましょう。

店舗休業に備えた見舞金補償

見舞金補償とは、店舗が休業になった場合の損失を補償してくれる制度です。
保健所によって営業停止処分が下された場合も、見舞金補償があれば損失を補うことができます。

商品によって補償内容が異なるため、どのくらいの損失をカバーしてくれるのか確認したうえで申し込むといいでしょう。
なお、どの商品にもついているサービスではないので、希望する場合は補償内容を必ず確認のうえ、申し込みましょう。

食中毒に備える保険|加入するメリットと注意点

最後に、食中毒に備える保険に加入するメリットと注意点を紹介します。
食中毒に関する補償がついた保険への加入を迷っている方は、参考にしてください。

いざというときも安心

食中毒が発生した場合の損失を補償してくれる保険に入ると、いざというときも安心です。
食中毒が発生しないよう、多くの飲食店が衛生管理に力を入れています。

しかし、いくら管理を厳格にしても、食中毒が発生する可能性をゼロにはできません。
食中毒が発生しても、一定額の損失を補完してくれる保険に入っていれば安心できます。
事故に備えて自動車保険に入るのと同じと考えるとイメージしやすいでしょう。

すべての経済的な損失は賄えない

保険に入っていても、すべての損失は賄えません。
一定額の手出しは必要です。

また、補償が手厚い商品は掛け金も高めです。
月々の収入と支払いのバランスを考えたうえで、加入する商品を選びましょう。

同時に、万一に備えて売上の一部を貯蓄する習慣をつけておくとより安心です。
保険加入時に、損失をいくらまでなら保険でカバーできるのかイメージしておくとよいでしょう。

まとめ

食中毒はどんなに衛生管理を徹底しても、発生する可能性をゼロにはできません。
保険に加入しておけばいざというときも安心です。
貯蓄と合わせれば、より心強いでしょう。

食中毒の補償を行う保険は複数あるので、補償内容や範囲を確認したうえで店舗の状況に合った保険に加入するのがよいでしょう。

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コラム監修者 プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格