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キッチンカーの仕込み場所はどう確保する?4つの準備方法を解説

キッチンカーを始めるにあたって、保健所に営業許可の申請を行います。
その際「仕込み場所が用意されている」との条件があります。

しかし、「仕込み場所」と言われても、どのような場所を用意すればいいのかわからない方も多いでしょう。

そこで今回は、キッチンカーの仕込み場所について解説します。

キッチンカーの仕込み場所の確保について解説!

仕込み場所について

キッチンカーの仕込み場所は、営業許可を得ている施設でなければなりません。
仕込み場所の用意ができていないと、キッチンカーの営業許可は取得できません。

仕込み場所では、材料の下処理などを行います。
通常の飲食店で行われる調理工程と変わらないので、食中毒を発生させない衛生設備が整っていなければなりません。

 

仕込み場所を用意しなければいけない理由

仕込み場所とは、事前に材料を仕込みするための場所です。
材料を切ったり、混ぜたりと生肉や魚を扱うこの工程では、食中毒の原因となる菌が付着・繁殖する可能性が考えられます。

そのため仕込み場所は、衛生管理の行き渡った「営業許可証を取得している施設」でなければなりません。

 

仕込みの定義

一般的に仕込み作業とは、肉や野菜、果物などの食材をまな板と包丁で切ったり、小麦粉と水を混ぜたり、肉に下味をつけたりする工程です。

ただ仕込み場所に関する定めは、保健所ごとに見解が異なります。
そのため、どこからがキッチンカーで行える「仕上げ」になるのか、判断がつきにくい場合もあるでしょう。

判断できない場合は、営業許可を申請する予定の保健所に確認しておくと安心できます。

 

自宅やキッチンカーを仕込み場所にできる?

ここでは、キッチンカーの仕込み場所について、皆さんが疑問に思う以下の2点について説明します。

● 基本的に自宅を仕込み場所にするのは不可
● キッチンカーを仕込み場所にできるのかは給排水設備による

それぞれ仕込み場所にできるのか、なぜできないのかについて、詳しく解説していきます。

 

基本的に自宅は不可

キッチンカーの仕込み場所を、自宅にしようと考える方が多いと思います。

しかし、自宅を仕込み場所とする場合、ほかの方法よりも営業許可を取得するのはかなり大変です。
飲食店と同じような厨房設備を備え付けなければならないので、大がかりなリフォームが必要です。

リフォーム費用は非常に高額になるので、現実的な方法とは言えないでしょう。
また賃貸の場合は、改装自体がかなり難しいので、ほぼ不可能と考えてよいでしょう。

 

キッチンカーは給排水設備による

キッチンカーを仕込み場所に利用する場合は、200Lのタンクを備える必要があります。
軽トラックのような小さなスペースに200Lのタンクを積むとなると、かなりのスペースを占有されてしまうでしょう。

また、毎回の営業時に給水用のタンクに水を入れ、営業終了後に排水する手間も負担になります。
キッチンカーを仕込み場所にすると、負担が大きくなるでしょう。

 

キッチンカーの仕込み場所を準備する方法4選

ここからは、仕込み場所を用意する以下の4点について説明します。

● 自宅とは別に安価な部屋を借りる
● 飲食店の厨房スペースを使わせてもらう
● シェアキッチンを利用する
● 小さな飲食店の居抜き物件を借りる

詳しく見ていきましょう。

自宅とは別に安価な部屋を借りる

まずは、自宅とは別に安価な部屋を借りる方法があります。
ただし、この方法は初期費用が高額になります。
当然毎月の家賃も発生し、設備を揃えて営業許可を取らなければなりません。

キッチンカーは低予算で始められると思っていた方には、抵抗があるかもしれませんが、以下のような方には最適な方法です。

● 自由な時間に使いたい
● オリジナルのメニューを販売したい
● 食材の保管場所も欲しい

キッチンカーの事務所を作るようなイメージとなるため、好きなように使いたい方には初期投資をする価値があります。

 

飲食店の厨房スペースを使わせてもらう

親戚や兄弟、友人、知人に飲食店を経営されている方がいる場合は、飲食店の厨房スペースを使わせてもらう方法もあります。
心当たりのある方は、まずは聞いてみてもいいでしょう。
この手段が、金銭的には一番リスクが低い方法になります。

ただし、この方法を選択した場合の最大のリスクは「食中毒」が発生した場合です。

飲食店を経営している方にとって、最も怖いのが食中毒です。
仕込み場所を借りている場合は、食中毒の責任が本来のオーナーにまで発生してしまう場合があります。

その場合は、自分のミスで起こした食中毒で、仕込み場所を貸してくれたオーナーに大きな迷惑をかけてしまう場合があります。

飲食店の厨房を借りる場合は、衛生管理にはより一層注意しましょう。

 

シェアキッチンを利用する

シェアキッチンを仕込み場所にするのもよいでしょう。
都内では、シェアキッチンが展開されています。

シェアキッチンのメリットは、以下の2点です。

● すでに調理機器が揃っている
● 賃貸物件と比較して初期費用が安価

しかし、メリットばかりではなく、基本料金が毎月必要であったり、厨房設備の使用料は別途発生したりする場合もあります。
利用する前に確認しておきましょう。

 

小さな飲食店の居抜き物件を借りる

居抜き物件とは、前オーナーが家具や設備を残したまま退去した物件です。
このような物件であれば、設備がそのまま使用できるので、初期コストが抑えられます。

ただし、賃料は比較的高い傾向にあるので、そこでも飲食店を開くなどの工夫が必要になってきます。

 

まとめ

仕込み場所は、「食材を切る」「下味をつける」など異物混入や食中毒の発生源になりやすい場所なので、徹底した衛生管理が必要です。

そのため、キッチンカーでの営業準備の中で課題が多いものの1つになっています。
まわりに飲食店を経営されている方はいないか、シェアキッチンを利用するなどあらかじめ考えておく必要があります。

今回の記事を参考に、自分が活用しやすい仕込み場所を用意しましょう。

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コラム監修者 プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格