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キッチンカー(移動販売車)の開業で加入しておきたい保険3選

新型コロナウイルスの流行により、密を避けながら飲食を提供できる「キッチンカー(移動販売車)」に注目が集まっています。
密を避けたい人、買い物が困難な人などが増えている現在、キッチンカーによる移動販売は狙い目かもしれません。

しかしキッチンカーでの飲食物販売は、少なからずリスクを伴います。
そしてリスクを避けるためには、任意保険への加入や正しい知識を身に付けることが大切です。

この記事では、キッチンカー(移動販売車)の開業を考えている人が加入すべき保険を3つ、ご紹介していきます。
これから移動販売を考えている人は、ぜひ最後までご覧ください。

キッチンカー(移動販売車)の開業で加入しておきたい保険3選

1.自動車保険

最初に加入すべき保険は、自動車保険です。
自動車保険とは、自動車の利用に伴い発生する可能性がある損害を補償する、損害保険の一種です。
補償対象や金額などは保険会社によって異なりますが、交通事故の際に発生する被害者への賠償や、破損した車の修理費用などに充てられます。

自動車保険に加入すべき理由

キッチンカー(移動販売車)で開業をする場合、交通事故経験の有無に関係なく、自動車保険には加入すべきです。
なぜならキッチンカーは運転頻度が高く、交通事故に遭う可能性が高いからです。
自動車保険に加入していない状態で、例えば死傷事故などを起こした場合、巨額の賠償金を請求されるケースがあります。
そんなことにならないように、最低でも自動車保険にだけは加入することをおすすめします。

自動車保険加入時の注意点①

キッチンカー(移動販売車)が自動車保険に加入する際には、いくつかの注意点が存在します。
まずは保険料が「自家用車と比べて高くなりやすい」ことです。

保険会社によって異なりますが、自動車保険の区分には大きく「通勤通学用」「日常用」「業務用」の3種類が存在します。
一般的な目安ですが、週に5日以上、もしくは月に15日以上業務用として自動車を使用する場合、業務用自動車の扱いになります。

業務用自動車は交通事故のリスクが高いことから、保険料が割高になりやすいです。

自動車保険加入時の注意点②

自家用車で自動車保険に加入している場合、キッチンカー(移動販売車)の保険加入時に等級を引き継いでしまうケースがあります。
事故経験のない人には関係ありませんが、事故を起こして1年以内の場合は、キッチンカーにも等級が適応され、保険料が割高になってしまいます。
また過去1年間に複数回事故を起こしている場合、保険そのものに加入できない可能性もあるので、注意してください。

自動車保険加入時の注意点③

自動車保険加入の場合、8ナンバー車両だと加入できないケースがあります。
8ナンバーは特殊車両に分類されるため、通常の自家用車に比べて自動車保険に加入しにくいのです。
しかし車検がしっかりとしている場合は、その限りではありません。
加入を考えている保険会社に、問い合わせてみるとよいでしょう。

自動車保険加入時の注意点④

キッチンカー(移動販売車)の自動車保険加入では、セカンドカー割引が適応されないケースが多いので注意が必要です。
セカンドカー割引は、以下の条件を満たした場合に適用されます。

・1台目の車の等級が11以上であること
・使用目的が1台目と同じであること

確認項目

保険契約者に確認書類を提示していただき、増車となる自動車の「現車の確認」と「車両所有者の確認」を行います。(「純新規契約」の場合と同様です。)

≪確認内容≫
増車となる自動車の所有者が、次の①~④のいずれかの条件を満たしていること。

増車となる自動車の所有者 確認点
1台目契約の車両所有者 氏名が一致すること
1台目契約の記名被保険者 氏名が一致すること
1台目契約の記名被保険者の配偶者 姓が一致すること
1台目契約の「記名被保険者またはその配偶者」の同居の親族 姓と住所が一致すること

恐らく多くの人は、1台目は通常の自家用車が多いと思います。
そのため「業務用」に分類されるキッチンカー(移動販売車)は、セカンドカー割引対象外となってしまうのです。
詳しくはリスクマスターズへお問い合わせください。

PL保険(生産物賠償責任保険)

続いてキッチンカー(移動販売車)開業で加入すべき保険が、PL保険(生産物賠償責任保険)です。
PL保険とは、簡単に言ってしまえば「提供した食品が原因で損害が生じた」際に補償をしてくれる保険です。

PL保険(生産物賠償責任保険)に加入すべき理由①

キッチンカー(移動販売車)で飲食物を販売する際に、もっとも気を付けるべきことが「食中毒」です。
実店舗に比べて空調設備が乏しく、夏などは高温多湿の中で調理をすることもあるキッチンカーでは、おのずと食中毒のリスクが高まります。

仮に大規模な食中毒が発生してしまった場合、損害賠償額は数千万円にも上るケースがあります。
そうなってしまえば、自己負担でまかなうことは、ほぼ不可能です。
自己破産など、人生そのものを左右する事態になりかねません。

保険会社にもよりますが、PL保険の保険料はリーズナブルで、比較的入りやすい部類の保険です。
お客様の安全と自分の人生を守るためにも、PL保険への加入をおすすめします。

PL保険(生産物賠償責任保険)に加入すべき理由②

PL保険は食中毒に限らず、生産物によって引き起こされた事故を幅広く補償する保険です。
例えば、「熱々のカレーをお客様の足にこぼして火傷をさせてしまった」「高額な衣類を飲食物で汚してしまった」などでも、補償金が出ることがあります。

キッチンカー(移動販売車)は、移動しながら飲食を提供するという性質上、思わぬアクシデントが起こる可能性があります。
そういったアクシデントを、幅広くカバーしてくれるPL保険は大変有難い存在と言えます。
保険料や補償内容は、保険会社のプランによって異なるため、さまざまなプランを比較しながら自分に合うものを選びましょう。

PL保険(生産物賠償責任保険)加入時の注意点

PL保険は年間の売上高によって、保険料が変わる保険です。
そのためキッチンカー(移動販売車)開業に伴いPL保険に加入する際は、年間の売上予想額を提示する必要があります。
場合によっては、余分に保険料を支払うこともあり得ます。

しかしPL保険は自動車保険とは異なり、事故後に保険料が上がることはほとんどありません。
よほど大きな事故を起こせば、翌年から加入が見送りになる可能性はあります。
しかし基本的には、保険料が安定しています。
補償内容を考えても、キッチンカー開業時には加入必須の保険と言えるでしょう。

施設所有者賠償責任保険

3つ目の加入すべき保険は「施設所有者賠償責任保険」です。
施設所有者賠償責任保険とは、建物や場所、所有する施設の不備によって発生した損害賠償を補償してくれる保険です。
例えば「厨房設備の水漏れ、油漏れが原因で出店場所を汚してしまった」「設置した看板が倒れて子供が怪我をした」などが、それに当たります。

施設所有者賠償責任保険に加入すべき理由

上記で紹介したトラブルは、自動車保険・PL保険双方の補償対象外です。
そのため加入しておくと、より多方面からのカバーが期待できます。

キッチンカーは移動販売という性質上トラブルに遭いやすいです。
飲食物だけではなく、設備によって引き起こされたトラブルのカバーもできれば、より安心して営業に取り組むことができます。

また施設所有者賠償責任保険は、保険料がリーズナブルな傾向にあります。
決して高くない金額で、自分の生活を守れるのであれば、加入しておいたほうがよいでしょう。

施設所有者賠償責任保険加入時の注意点

施設所有者賠償責任保険の補償範囲は、基本的に「法律上の賠償責任」が前提です。
そのため台風や落雷など、自然災害による事故は対象外となります。

また補償内容も他の保険と同様、保険会社やプランによって異なります。
加入前に保険料や補償内容、保険金の限度額などを確認しておいてください。

まとめ

キッチンカー(移動販売車)の開業時は何かとお金が掛かるため、経費削減に頭を悩ませる人は多いと思います。
特に保険は損害発生時に効力を発揮するため、平常時は支払った保険料に見合う価値が実感しにくいです。
そのため経費削減のために、保険加入をおろそかにする人は少なくないでしょう。

しかし保険に加入していなかったため、商売だけでなく自分自身の人生にまで影響を与えてしまったケースは、確かに存在します。
「あのとき、こうしておけばよかった」
そう後悔しないためにも、最低限上記3つの保険への加入をおすすめします。

リスクマスターズではキッチンカー保険に必要な「自動車保険」「PL保険(生産物賠償責任保険)」「施設所有者賠償責任保険」を取り扱っております。キッチンカー保険についてのお悩みなどのご相談はいつでもお待ちしております。

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コラム監修者 プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格