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フラッシングの種類とエンジン内部に汚れが溜まるとどうなるかを解説

長年愛車を使用している方は、エンジン内部の汚れが気になっている方もいるでしょう。
愛車の整備の際に「フラッシング」をすすめられた方も多いのではないでしょうか。

エンジン内部に洗浄剤を注入し、汚れを洗い流してエンジンの性能を向上させるメンテナンスがフラッシングです。
しかし、フラッシングは本当に効果があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回の記事では、フラッシングの種類やエンジンの内部に汚れが溜まるとどうなるのか、フラッシングは必要なのかについて解説します。

フラッシングの種類とエンジン内部に汚れが溜まるとどうなるかを解説

フラッシングの種類3選

フラッシングには代表的な方法として3種類あります。
それぞれ詳しく解説します。

1.添加剤を使用する|一番ベーシック!

1つめの方法はエンジンオイル添加剤を使用する一番ベーシックな洗浄方法です。
使用方法は何通りかありますが、添加剤を現在使用しているエンジンオイルに混合させます。

そしてエンジン内部を循環させ、中の汚れを落とします。
添加後、約10〜15分のアイドリングのあとに抜き取り、その後オイル交換する方法が一般的です。
添加後に数百kmから数千km走行させそのあとにゆっくり洗浄する「遅効性」の添加物も存在します。

2.洗浄剤を用いる|手間はかかるが手軽

洗浄剤を使用する場合は、添加剤とは異なり、エンジンオイルに洗浄剤が含まれる製品を使用します。
使用する際にはエンジンオイルをすべて抜き取り、フィラーキャップを外し洗浄剤を注入後、アイドリングを行ってください。

これは、エンジン内部に洗浄剤を循環させ、汚れを洗い流す工程です。
アイドリングを止めたら洗浄剤を抜いて、オイルフィルターを交換したあとに新品のオイルを入れましょう。

エンジンの分解も必要なく、洗浄剤を入れるだけで実施可能です。
しかし、オイル交換を2回行うのと同じ工程が発生し手間がかかります。
その分添加剤よりも、高い洗浄効果が得られるでしょう。

3.マシンを活用する|洗浄力はピカイチ!

機械を使用する方法は、以下の手順で行えます。

1.専用の機械をオイルのドレンボルトとオイルエレメントの取付部をつなぐ
2.薬剤を流し込み循環させる
3.オイルの通り道を薬剤で洗浄し汚れを除去する

エンジンをかけずに洗浄性能の高い波を流せるので、高い洗浄力を実現可能です。
エンジンをかけないで行えるため、エンジンにも負担がかかりにくい方法といえます。

長期間使用している車はどうしても、オイルの通り道に少しずつ汚れが溜まりがちです。
その結果燃料を噴射する装置や燃料の出口周辺は目詰まりを起こしている可能性も否定できません。
そのため、専用機械によるフラッシングがおすすめです。

デメリットは、ほかの方法と比較して時間や費用がかかるところです。
そもそも専用の機械があるお店でないと利用できないため、気をつけましょう。

フラッシングをせずエンジンの中に汚れが溜まるとどうなる?

エンジン内部が汚れてドロドロになると、オイル内部の汚れが原因で各部品の摩擦抵抗が増えます。
燃費が悪くなるなどさまざまな悪影響を与え、エンジンが本来の性能を発揮できなくなりトラブルの原因を招きがちです。

ここでは具体的に、エンジンの中に汚れが溜まると何が起こるのか解説します。

1.汚れが溜まると始動が悪くなる

エンジン内部が汚れると、エンジンが始動しにくくなります。
オイルの通り道がスラッジで塞がれると、オイルの潤滑不良が起こるからです。
すると、オイルの量は十分にあるのにもかかわらず、量が足りない状態になります。

この状態になると、思ったように内部のパーツが動いてくれず、レスポンスが悪化します。
エンジンのかかりが悪くなったり、何とか始動してもかなり重く感じたりしてしまうため注意が必要です。

2.アイドリングが安定しない

既述のように、オイルの流れが妨げられるとスラッジが溜まり、エンジンに大きな負荷がかかります。

オイルの流れが遮られると、各部品が円滑に作動できません。
そのため、アイドリングの音にばらつきが出ます。
アイドリングにばらつきが出ると、エンジンはもちろんドライバーの心理状態まで悪化しかねません。

さらに、信号待ちや交差点の真ん中で、エンストを起こす可能性も出てきます。
「いつエンジンが止まるか分からない」ような状況で運転するのは運転手にはもちろん、周囲にとっても危険です。

3.エンジン音が増大する

エンジンの中の汚れで、最も要注意なのが、エンジン音が大きくなる現象です。
エンジンにスラッジが蓄積され、オイルの通り道が塞がれると、オイルが入っているにもかかわらずきちんと循環できず潤滑性能が落ちてしまうのです。

エンジンは金属製です。
焼き付きが起きないよう、オイルの潤滑作用や冷却作用により保護されています。
オイルの潤滑性能が落ちるとエンジンの音が大きくなったり、振動が大きくなったりします。

潤滑や冷却がスムーズに行われないと、部品同士が貼り付きがちです。
これは、エンジンが焼き付く原因になりかねません。
焼き付きが起きると車が走行できないのはもちろん、エンジンをかけるのも不可能です。

焼き付きが起こると、修理相場は非常に高額化します。
金属がずれるような「カンカン」と甲高い音が聞こえたら、エンジンの焼き付きが始まっています。
極力早く修理に出しましょう。

フラッシングは本当に必要?

フラッシングは、車を維持するうえで必須のメンテナンスではありません。
基本的に、定期的に必ずエンジンオイルの交換を実施していれば、大きな問題が発生する可能性はかなり抑えられます。
しかし、愛車をよりベストなコンデションで維持するには、最適なメニューです。

以下の車には、定期的なフラッシングが必要です。

・定期的にエンジンオイルを交換していない
・年式が古い
・走行距離が多い

上記の車は、オイルの通り道に汚れが蓄積されやすい状態です。
このような状況に該当するような場合には、オイルフラッシングを実施してはいかがでしょう。

まとめ

フラッシングでは、エンジンの状態を改善できます。
長期間オイル交換をしていたり長距離を走っていいたりしており、始動が悪くなったなどの症状が出現したら、フラッシングを考える時期です。

フラッシングを行えばエンジンのパワーが回復し、燃費がよくなりエンジンも長持ちさせられます。

今回の記事を参考にエンジンの内部をきれいにして、エンジン本来の性能をとり戻しましょう。

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コラム監修者 プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格