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所得補償保険はどんな保険?必要性は高い?

保険にはいろいろな種類がありますが、その名前の通りに何らかの事情で収入が減少した時に、それを補うものとして「所得補償保険」があります。
ここでは、所得補償保険の必要性について、詳しく解説します。

所得補償保険はどんな保険?必要性は高い?

所得補償保険とは

所得補償保険とは、主に損害保険会社が販売する保険商品の一つで、被保険者が病気をしたりケガを負ったりして働くことができなくなり、収入が減った分を補償する保険です。
医療保険では病気やケガの場合の治療費や入院費や通院費が補償されますが、それだけでは生活費が賄えない方におすすめの保険です。

所得補償保険では、被保険者のすべての収入が補償されるわけではありません。
年収の最大6割程度が補償され、一定の期間毎月保険を受け取るタイプがほとんどです。

所得補償保険には免責期間がある

所得補償保険に加入していて病気やケガをしても、すぐに補償が受けられるわけではありません。
その理由は、免責期間があるからです。
保険金が支払われるべき事由が発生しても、免責期間中は保険が支払われることはありません。
免責期間は1週間程度の短期間や、数ヶ月から1年に及ぶ長期間のものもあります。

所得補償保険には2つのタイプがある

所得補償保険は、短期補償タイプと長期保証タイプの2つに大別されます。
短期タイプは免責期間が短いのが特徴で、1年や2年などの短期間に備えたい方に向いています。
病気やケガが原因で入院したり、仕事ができないと判断されたりした場合に、保険金を受け取ることができます。
長期保証タイプは、免責期間が長いのが特徴で、老後まで働くことができなった場合に備えることを目的としています。
60歳や65歳など、長期に補償が継続します。

病気やケガで入院をしたり、医師の指示で自宅療養を余儀なくされたりしたりし、仕事がまったくできない場合に保険金が支払われます。
一時的ではなく、寝たきりになるなどして、老後は仕事ができなくなることを想定して加入する保険となっています。

所得補償保険の注意点

所得補償保険は、病気やケガをした場合に保険金が支払われると案内してきましたが、たとえ医師から病気と診断されても、補償の対象外となってしまうケースもあります。
加入する保険によっても異なりますが、うつ病などの精神疾患や、アルコール依存症が原因で仕事ができない場合は、対象外となる可能性は高いです。

また、交通事故でケガを負った場合、一般的な事故であれば補償の対象にはなりますが、自身に非がある場合は対象外になることがあります。
例えば、酒気帯び運転や無免許運転をしていた場合は、保険金が支払われることはありません。
その他、事故や病気・ケガとは異なりますが、妊娠や出産で仕事ができない場合も、補償の対象外となってしまいます。

所得補償保険の必要性

所得補償保険は、自営業をされている方や会社員や公務員などが万一の時に備えて、収入を確保するために加入しておきたい保険です。
しかし、病気やケガで働くことができなくなった時、収入がすべて断たれてしまうかというと、そうではありません。
会社員であれば会社から、自営業者や公務員なら国から収入に関する保障が受けられることもあります。
公的な保障について把握した上で、保険への加入をしっかり検討してください。
ここでは、保障が受けられるいくつかのケースを紹介します。

労災保険

労災保険は、仕事中や通勤途中で負ったケガや病気や障害に対して給付が行われる制度のことです。
自営業の方は労働保険の対象外となりますが、大工さんや個人タクシー運転手などの一定の職業に就いている場合は、任意で特別に加入できる制度も用意されています。

傷病手当金

傷病手当金は、健康保険に加入している会社員などが、ケガや病気などで3日以上続けて会社を休んだ場合に支給される手当です。
「支給開始日以前12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」が、1日あたりの支給金額となっています。

障害年金

障害年金は、公的年金加入者が受けられる保障です。
病気やケガのために障害がある状態になって長期の治療が必要となり、一定の条件を満たした場合に受け取ることができます。
自営業で国民年金に加入している方は障害基礎年金、厚生年金に加入している会社員などは、障害厚生年金が対象となります。

まとめ

所得補償保険は、損害保険会社が提供している保険で、病気やケガが原因で仕事ができなくなった時、不足分の収入を補償してもらうことができます。
所得補償保険には免責期間が設けられていて、短期保証タイプと長期保証タイプがあり、保険の種類によって補償内容も異なりますので、加入する際はしっかりと内容を確認しましょう。
また、病気やケガをした場合、労災保険、健康保険などから保障を受けられることもあります。
会社員、公務員、自営業者で受けられる内容が異なってきますので、内容を把握しておきましょう。
収入が途絶えた時でも、安心して生活を送れるように備えることができる、所得補償保険。
どのような補償が必要か自分で判断するのが難しい場合は、ぜひご相談ください。

コラム監修者 プロフィール

コラム監修者 プロフィール 磯崎学(イソザキマナブ)

磯崎学(イソザキマナブ)

中央大学法学部にて政治学科を学ぶ。
大学卒業後、三井海上火災保険会社で保険営業の基礎を学ぶ。
その後、平成10年12月より独立し、現在、自社の代表を務める。

代理店として25年以上の実績があり、企業への保険提案を得意としている。
事故処理の経験も豊富。

■保有資格
損害保険大学課程コンサルティング資格、損害保険募集人一般資格(通称:損保一般)、生命保険専門資格